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ひたちなか市の「ICHIGO HOUSE. HITACHINAKA」

イチゴをもっと好きになるきっかけを作りたい。ひたちなか市の「ICHIGO HOUSE. HITACHINAKA」

茨城県は、イチゴの出荷量が全国7位(2023年)の産地。鉾田市や行方市などを中心に、県内全域で栽培されています。栽培はもちろん、直売や摘み取り体験を行っている農園も数多くあります。今回は、国営ひたち海浜公園からほど近い大型観光イチゴ園「ICHIGO HOUSE. HITACHINAKAイチゴハウスひたちなか」を訪ねました。

佐々木さんの近影
イチゴハウスの佐々木さん

首都圏からの来場が6割 イチゴをより好きになる“仕掛け”あり


イチゴハウスは、イチゴ狩り体験に特化した農園です。広さは約3万5000平方メートルで、周囲にはサツマイモ畑が広がるのどかな場所です。国営ひたち海浜公園をはじめ、大型の観光施設が周辺にあることもあり、利用者の約6割が首都圏からの来場者だそう。イチゴ狩りは40分食べ放題で楽しめます。

モットーは、「おいしいイチゴを、おなかいっぱい食べてもらうこと」だそうです。同園の農場長、佐々木文平さんに話を聞くと、そのための“仕掛け”が、3つありました。

仕掛けの1つ目は、ちょっと珍しい品種を栽培していることです。今年栽培しているのは、「紅かおり」「かおり野」「ゆきざくら」「恋みのり」「みくのか」「けん(堅)しろう」「ひのか」「ほしうらら」の8種類。「紅かおり」は、「紅ほっぺ」と「かおり野」のいいとこ取りした品種で、甘みと酸味のバランスが良い品種です。「けん(堅)しろう」は、しっかりとした歯ごたえのある期待の新品種だそう。

品種は、市場の人気をリサーチしたり、実際に栽培したりして、毎年変化させているそうです。「食べたことのない品種があると、どんな味がするんだろう?と、わくわくするでしょう」と、佐々木さん。当日のイチゴの発育状況を見ながら、3種類以上の品種が食べられるように案内しているそうです。

品種説明板と佐々木さん
品種説明板と佐々木さん

2つ目は、2種類の方法で栽培していることです。「高設栽培」と「土耕栽培」で、高設栽培は、地面から約1メートルの高さに栽培槽を並べて育てるため、イチゴが大人の腰の高さあたりに実ります。そのため、体に負担が少ない状態で摘み取ることができます。土耕栽培は、地植えで育てる方法で、小さなお子様でもイチゴを見つけやすい栽培方法です。

いちごの高設栽培
高設栽培しているエリアでは、体への負担が少なく収穫できる

いちごの土耕栽培土耕栽培エリア。真っ白の花たちもかわいい 

3つ目は、佐々木さんをはじめとしたスタッフたちの親しみやすさです。イチゴ狩りを始める前には、摘み取り方法をスタッフが説明する時間を必ず設けています。説明は、イチゴをおいしく味わうためでもあり、イチゴの株を傷めず、次に実る果実を守るためでもあります。

イチゴ狩りの最中も声をかけるのがイチゴハウス流だそうです。「おなかいっぱい食べることに加えて、イチゴへの興味をほんの少しでも広げてくれたらうれしい」と、佐々木さん。

話題は栽培のことや、イチゴ作りに欠かせないミツバチのこと、イチゴ以外の植物のことなど多岐にわたります。佐々木さんは、イチゴの魅力について熱心に語ってくれます。

ICHIGO HOUSE. HITACHINAKA05
摘み取りの方法の説明は、日頃のイチゴ愛も込めて、丁寧に

 

これまでの農業経験の全てをかけて、イチゴを栽培

 

同施設は、東京・三鷹市にある「ICHIGO HOUSE. MITAKA」の姉妹施設として、2024年にオープンしました。

佐々木さんはイチゴを栽培して3年目。イチゴは3年目ですが、大学で農業を学んだ後、農業に関わる仕事に長く携わってきました。山形県では、さくらんぼや洋梨の研究に携わり、長野県では、大手ワインメーカーでブドウを育ててワイン造りをしました。

ICHIGO HOUSE. HITACHINAKA06
ハウスを見守る佐々木さん

ワイン造りでは、味を自分の言葉で説明できるようにするのも大事な仕事だったといいます。その経験からか、佐々木さんは、イチゴの味も、「トロピカルな香り」「桃のよう」などと、独特の表現をします。

また、ワインとイチゴには共通点が少なくないといいます。「同じ品種でも、育った土地や環境によって味わいに違いが生まれる」と佐々木さんは言います。ひたちなか市は東京に比べて寒さがあるため、イチゴが成熟するまでの期間が長くなるそうです。その結果、香りが華やかになったりするというのです。

「育てれば育てるほど課題が見つかって、やりがいがあります」と、佐々木さん。これまでの農業経験のすべて生かして、イチゴ栽培に向かっています。

ICHIGO HOUSE. HITACHINAKA07 園のイチゴを使った商品も開発。ババロア、いちごみるくの素、パウンドケーキなどがある 

インフォメーション

ICHIGO HOUSE. HITACHINAKA

 

  • 住所
    茨城県ひたちなか市部田野128
  • 電話番号
    090-9673-1115
  • ホームページ
    https://hitachinaka.ichigohouse-wegro.com/
  • 食べ放題
    12月下旬から5月まで。予約優先。不定休のため事前に確認を。
  • 料金
    中学生以上2700円、小学生2300円、3歳から未就学児1700円。