旅ドキ!ひたち TRAVEPPE

水戸市の「七ツ洞公園」

映画「テルマエ・ロマエ」の撮影地、異国情緒たっぷり、水戸市の「七ツ洞公園」

水戸市の郊外にある「七ツ洞(ななつどう)公園」は、ちょっと個性的な公園です。緑豊かな敷地の中には、レンガ造りの廃墟などが点在していて、「ここは別世界?」と、感じさせる景観が広がっています。そんな様子から、古代ローマを舞台にした映画「テルマエ・ロマエ」(2012年公開)の撮影地にもなりました。

なぜ水戸にこのようなユニークな公園があるのでしょうか。公園の楽しみ方と併せて、公園を管理する水戸市公園緑地課の中村良太さんに聞きました。

七ツ洞公園01「とてもすてきな公園です」と話す、中村さん

「世界に誇れる公園に」英国の会社が設計を担当 建材も本場から


「この公園は、水戸市の文化都市としての発展を目指したものでした」と、中村さんは教えてくれました。水戸市五軒町の水戸芸術館が、1990年に文化都市のシンボルとして開館。市のさまざまな取り組みが進められる中、同じころに七ツ洞公園の整備が始まり、1999年に現在の形になりました。

面積は約9ヘクタールで、「英国風景式庭園」と表現されています。イギリスで18世紀に流行した様式で、自然の景観美を大切にしているのが特徴です。

設計はイギリスの専門の設計会社に依頼し、主要な建材もイギリスから輸入しました。「世界に誇れる公園にするために細部までこだわった、本格的な庭園です」と中村さんは話します。

散策の王道は、上流から下流へ


公園を流れる小川に沿って遊歩道が整備されています。小川はやがて幅広くなり、ため池が連続する地形になります。曲線を描くようにため池が配置された地形は、「サーペンタイン」と呼ばれ、「ヘビのように曲がりくねった」という意味を持ちます。

中村さんは、小川の上流部から遊歩道を下るコースを散策におすすめしています。出発点は、「北駐車場」。最下流の「ダムE」までは、ゆっくり歩いて40分ほどです。ここでは、2つの見どころポイントを紹介します。

散策の見どころポイント【1】
異国情緒あふれる建造物、装飾

まずは、「グロット」と「フォリー」です。グロットは、古代の洞窟を模したもの。フォリーは、風景式庭園において景観のために設置された建造物で、廃墟を模したものなどがあります。

古代の洞窟を模した グロット
古代の洞窟を模した「グロット」。中には井戸もあります

フォリーと呼ばれる装飾目的の廃墟
「フォリー」と呼ばれる装飾目的の廃墟

石や盛り土など、さまざまな素材で造られたダムも見どころ。ダムは全部で5つあり、上流は古代的、下流は近代的と、素材や造形で時代の変遷を表現していて、グロットやフォリーも時代に合わせた配置・素材になっています。

また、橋の中央に設置された神を模した人の顔など、細部の装飾にも注目です。「考え抜いて置かれた建造物や装飾が、異国に迷い込んだかのような気分にさせてくれます」と、中村さん。

七ツ洞公園04
石が積み重なる古代的な「ダムA」

七ツ洞公園05
橋の中央には、神を模した人の顔の装飾があります

 

散策の見どころポイント【2】
ダムCからの眺め

中盤に、公園の魅力を凝縮したような場所があります。

「ダムCに到着したら、ダムBの方向を眺めてみてください」と、中村さん。遠くの緑からダム、あずまや、手前の水面と、遠景・中景・近景が、絵画のような配置になっているのがわかります。公園の庭造りの特徴の一つ「ピクチャレスク」(風景画のような庭造り)が体感できる場所です。

七ツ洞公園06
ピクチャレスクの風景

イングリッシュローズ香る「秘密の花苑」

 

初夏と秋限定ですが、園内のガーデン「秘密の花苑」に咲くイングリッシュローズも人気があります。

ガーデンは、直径50メートルの円形。七ツ洞公園は18世紀のイギリスで流行した英国風景式庭園ですが、秘密の花苑は、19世紀にイギリスで流行したコテージガーデンと呼ばれる様式だそうです。このように、18世紀型の英国風景式庭園だけでなく、19世紀型のコテージガーデンの特徴を併せ持つ公園は、日本ではとても珍しい庭園構成となっています。

植えられているイングリッシュローズは約40種類約120本。例年5月中旬から下旬にかけてが最も見頃で、華やかな姿と香りを楽しむことができます。

ガーデンは、水戸市植物公園の職員が市民ボランティアとともに大切に管理しています。

七ツ洞公園07
秘密の花苑にある記念植樹エリア

七ツ洞公園08
白い花だけを集めた「ホワイトガーデン」

インフォメーション

七ツ洞公園