国営ひたち海浜公園の「みはらしの丘」で行われた期間限定イベント『コキアライトアップ』は、9月23日をもちまして終了しました。
期間中は、たくさんの方に足を運んでいただき、誠にありがとうございました。
2025年は、記念すべき10回目という節目。
特別な演出とともに、多くの笑顔に包まれた時間となりました。
今回はその歩みを振り返りながら、「コキアライトアップ」がどのように創られてきたのかをご紹介します。
コキアライトアップは、2013年に始まりました。
今でこそコキアが知られるようになりましたが、当時は“緑のコキア”の存在はあまり知られておらず、「紅葉していないと価値がない」と思われがちでした。
<コキアライトアップ初年度(2013年)「みはらしの丘」”緑葉コキア”の景色>
そんな中、「夏のコキアも見てほしい」「公園を長い期間、楽しんでもらえる場所にしたい」という私たちスタッフの想いから、ライトアップイベントがスタートしました。
初めての作業は、ゼロからの手探り状態。
さらに、準備に携わったのはわずか数人。
「どうしたら、もっと美しく見えるか。」
「この角度から見たとき、どう感じてもらえるか。」
そんな問いを重ねながら、スタッフたちは倉庫に眠っていた白熱灯を20基ほど持ち出し、毎晩遅くまで作業を続けてきました。
<コキアライトアップ初年度(2013年)「みはらしの丘」の様子・当時の参加者数は3600名程度でした。>
<コキアライトアップ初年度(2013年)の「竹あかり」イベントの様子>
その後、翌年には、地元イベントに関わるプロモーターとの繋がりから、専門的な光の演出を初導入。
本格的な運営が始まりました。
<2014年「コキアライトアップ」ライト設営>
園路の導線にカラーライトやスピーカーを配置したものの、音響面では“音が小さい”という課題が残りました。
<2014年「みはらしの丘」の様子>
それでも、初年度と比べると新たな一歩を踏み出した年となりました。
年々照明の数が増え、オリジナル楽曲での演出や地元で活動する方の作品展示等、イベントとしての“完成度”を少しずつ高めていきました。
<2014年8月4日~7日・13日~17日開催の「ひょうたんランプ」展示の様子>
<少しずつライトの数も増え、賑わう2017年の「みはらしの丘」>
年を追うごとに技術とアイデアが加わり、今では光と音の特別なイベントになりました。
現在、演出の中心となるのは、LEDライト。
配色と点灯のタイミングが重要視されます。
<2018年ライトが設置された「みはらしの丘」>
コキアの丸く柔らかなフォルムを最大限に引き立たせるため、光の色味や明るさは慎重に選ばれ、角度や照射範囲(照射場所)も細かく調整されています。
加えて、風や湿度、天候による影響も考慮しながら、照明の強さや機材の安全管理も徹底。
<2018年「みはらしの丘」のふもとに咲くヒマワリ>
ライトを調整するプログラマーや、演出監修のクリエイター、設営を担う技術スタッフなど、各分野のプロたちが一丸となり作業を行います。
<2019年ライトアップ機材設営の様子>
演出の流れや音楽との同期は、秒単位で何度もリハーサルを重ねて微調整。
「見る角度によって印象が変わる」ように、導線の工夫や観賞ポイントの確認も入念に行っていました。
こうした裏方の努力によって培われた技術とアイデアが、毎年少しずつ進化し、イベントに新しい魅力を加えていきました。
<2019年「みはらしの丘」開園前のライト確認>
そして2025年、10回目となる今年のテーマは、「光の軌跡」。
これまでの集大成ともいえる演出が用意されました。
光と音を融合させたダイナミックなレーザー演出をはじめ、「MAN WITH A MISSION」とのスペシャルコラボレーションや、レーザー演出、コキアのキャラクター「ふわりん・もこ太」のバルーンなどが登場。
最大約51店舗の飲食ブースも特別オープンしました。
<「MAN WITH A MISSION」とのスペシャルコラボ『レーザー演出』>
<コキアのキャラクター「ふわりん・もこ太」のバルーン>
<記念の森レストハウスで開催「コキアライトアップメモリー展」>
10回目という節目に相応しく、これまで支えてくれた皆様への感謝と、これから未来へ向かう希望の両方の思いを込めた演出となりました。
温かな思いの先に光る、ライトアップ。
これからも、誰かの心に残る時間となりますように。